隠すことが誠実さと言わんばかりに
虚と嘘
実を伴わないどころか
実が反している人の言葉ほど
虚しいものはない
たとえプロの言葉であっても
豪華絢爛
八重咲きの花のように
どれほど流麗に
重ね連ねられていようが・・・
もちろん
虚構としてみるに文句なし
製造番号付写真機
言葉は
あらゆる衣装を身に付けさせ
化粧を施し
ある情景に
ある人物を
立たせることが可能
しかし言葉は
どんな情景にどんな人物を
どんな風に描いたとしても
言葉を紡いだ人を偽ることはできない
それらの言葉を
どんなカメラを使って
どんな被写体を選んでみたところで
カメラマンの視点と腕前が
製造番号のようにその裡に
刻印されてしまうから
隠すことが誠実さと言わんばかりに
言葉とは裏腹の
言葉を紡いだその時の
書き手の心のありかたも
儚く哀しく
透けてくる
もちろん透けてみえてきたイメージは
吾が脳裏というスクリーンに映し出されているわけで
わたしの感性という映写機から
映し出しているのではあるけれど
普遍という真実を
精巧に独特な手法で言葉を選び
つなぎ合わせて
宝石の原石の材料から吟味し研磨し
つなぎ合わせる道具や方法にも
精魂込めて最高の虚構を構成する人を
おそらく言葉の職人(プロ)というのだろう
ひとはアダムとイブの時代から
裸の自分を隠すようにできているのか?
隠すことが誠実さと言わんばかりに