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イランのTEHRANより日々思いついた言葉を発信しています。

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春 <1>







娘は食の細そうな、小さくかよわい身体つきをしていた。

彼女の真っ白な頬の左横と着物の裾からのぞく、小さなふくらはぎの肌からは、

明瞭に緑の血管が浮き上がっていた。

細く、小さな身体相応の手の先の爪は、薄く平らで、

縦にいくつもの線が走っており、

爪ひとつだけをみても、彼女の健康の乏しさを示してた。




普段は黒目がちな娘の瞳は、光に照らされると、

澄んだ浅瀬のように陽を吸って明るく澄み透り、


また娘の小さな心が揺れ動くと

丸く整った上下の唇を噛み締める癖を持っていた。


長い髪は、湿気を帯びたように光を放ち、

しっとりと豊かに、細く華奢な肩と背中にゆったりと腰かけていた。


全く 春 の取り柄は 器量 だけだった。



春の季節に生まれたからであろうか?

娘は 春 と呼ばれていた。




春 の母は既に他界していた。

しかし春 の虚弱な身体は母ではなく、父譲りであった。


春 の母は並の体力を有した女(ひと)であったが、

病弱な夫の代わりに力仕事し、行商に出、

その上、虚弱に生まれた愛娘の看病に、心と身体を次第、次第に細らせていった。

母は一家を支えるために休む暇なく働き続け、

春 が8つの歳に、行商からの帰宅途中不慮の事故で亡くなったのだった。



春の父には兄がいた。

兄には子がなく、比較的裕福な生活をしていたので、

一家の柱に先立たれた二人を憐れに思い、

命をつないでいける程の援助を言い出してくれたのだった。


しかし、この心優しい伯父の家計は、

しっかりものの嫁の意向で、常に取り仕切られていた。


この嫁は自分の姪のためには、田舎の村娘には贅沢すぎるほどの着物と帯を

数年に一回こしらえ送り届けていたが、

夫の姪のみすぼらしい身なりと、最低限の生活には、

全く心を痛めることはなかったのだった。



それでも 春 にとっての14回目の春が訪れようとしていた。






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by Maryam051144 | 2014-01-31 17:10 | おとぎ話”春”

写真: シャクヤク (2)

 

Oaktreeさんより画像拝借 

 

 

 

 冬牡丹が咲き始めたそうです。

牡丹、芍薬というのは、

大輪で色鮮やかで、ゴージャスで

好みが分かれるところではありますが、

 

”華” というに相応しい花ですね。

 

 


"君来(こ)ぬと 知るも紅(べに)さす 冬牡丹"

 

 


 
女心は秋の空 と言われますが、

 

どこかしらで幻を抱き、

 

待ち人は来ることなどない っと分かっていても、

心待ちしているような、

 

たわいないもの でもありますね・・・

 

 







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by Maryam051144 | 2014-01-30 23:52 | 言葉

写真: DSCN2144

 

Oaktreeさんより画像拝借 








寒さが厳しくなってからは外出すると、

咳が出始め、頭痛がしておりました。

寒気が身体によくないようなのです。




私はここTehranで、寒さに辟易しながら過ごしておりますが、

それでも季節は移ろい、水仙の花は美しく咲き、

まもなく2月を迎えるのですね。





花の香(か)の 誘(いざ)のふ原に 春時雨





っと頂戴した句へ、故郷の景色を思い浮かべ、雨乞いを願い、

季節を少し早取りしてお返事しましたら、

それが天に届いたのか、

昨日・一昨日は恵の雨が降り、昨夜は大雨だったので

今朝はようやく空が青を取り戻し、空気が澄んでいます。

昨日から寒さもずいぶん緩んでいます。




しかし、油断大敵ではありますので、

皆様、どうぞご自愛なさってくださいませ。<(_ _)> 












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by Maryam051144 | 2014-01-30 23:50 | 言葉

 

 





2012年の12月に、



*** ** ***




白という色に関して私は・・・


”白鳥は哀しからずや 空の青海のあをにも そまずただよふ”


白は染まらぬ 孤高の色 であると思う。




純白の衣装を着、この地に嫁入りしたのは1996年。

いろんな人や、いろんな事柄から、

いろんな染料で、いろんな色に染まったけど、

どうやら生地(素地)そのものが粗悪だったか?

すぐに染まるけど、次第に漂白していってるな・・・


でも、

真っ白な純粋無垢なままでいたい

なんてとても思わない!


いろ~~~んな色、黒よりもっと濁った、暗い色からでも、

白には戻れなくても、自分らしい色に還る方が私は好き。


たとえその経過において、

洗いざらしのように、漂白して、生地が薄くなって、

ヨレヨレになってしまっても、

一旦色が抜けてしまえば、これからいろんな選択がまだまだあるんじゃない?

っていう おめでたさ の方が私は好き。

未来は未知数。

何歳になっても、

まだまだこれからさ

って部分をほんのチョッピリ・・・

自分に残しておきたい。




*** *** ***



っと書いていた。



先日、私の記事のコメント欄に龍さんより



「白はより 儚き色の 寒椿」
寒椿がいろんな色で咲いています。寒風の中で赤、ピンク、白
といろんな色を楽しませますが、白の寒椿は儚く感じます。
ご挨拶の一句。




を頂いた<(_ _)> 



私は以下のようにお答え致しました。





白は儚きですか、



色褪せつ 白く咲くとも

儚きの 白にな咲きそ 寒椿



寒椿というのは、冬薔薇(そうび) と同じように

ハッと、目と心を奪う美しさ(色気・艶)がありますね。



白い色 は 冬という季節を背景に視界に入ると

儚く映るかもしれませんね。



椿(山茶花)として、冬薔薇 として咲くなら 朱やピンク がいいかな。


(但し、私には、冬の殺風景や雪景色に匂い咲くような冬薔薇・
寒椿・山茶花にはなれないし、なりたくない!っと
毒舌をふるった記事も御座います。)



蜉蝣のように儚げな、純白にはもう、

どう逆立ちして、化けてみたって為れませんから

せめて、どんな色でも色着きで咲いて、

お天道様に照らされて、風雨にさらされ、

色褪せた、漂白の白を目指してみますわ~(^_^;)








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by Maryam051144 | 2014-01-30 23:47 | 言葉